作成日:2023/10/24 更新日:2024/03/27
基礎知識 / ヘルスケア業界ウォッチ
医療費適正化の鍵を握る、レセプトデータとは?
(難易度★☆☆)
こんにちは。DeSCヘルスケア 広報担当の小池です。
今回は、医療費適正化の施策を行う際の重要なデータとなる「レセプトデータ」について簡単な解説と活用事例を紹介します。
DeSCヘルスケアでは、レセプトデータを健康保険組合や自治体からお預かりし、保健事業などに活かすサポートを行っています。
その中で利用許諾を得ているレセプトデータについては、生命保険会社の皆さまに提供していますので、レセプトデータがどのように活用されているかを知っていただくことで、データについて理解を深め、身近に感じていただけますと幸いです。
ちなみに「保健事業」とは、健康保険組合や自治体などが、被保険者の病気の予防や早期発見を促し、重症化・長期化を防いで健康の増進を図ることを目的とした事業のことを指します。
医療費適正化の鍵を握る、レセプトデータとは?
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医療費適正化の鍵を握る、レセプトデータとは?
レセプトとは?
レセプトとは、保険診療を行った医療機関が診療報酬を請求するために発行する請求書のことです。医療費は、レセプトにて計算される診療報酬点数表に基づいて計算し、健康保険を運営する健康保険組合や自治体などの保険者に請求されています。
低所得者や幼少期、高齢者などを除き、保険適用されると医療費は3割負担になりますが、残りの7割は健康保険組合などの保険機関が、レセプトに基づいて医療機関に支払いをしています。
つまりレセプトには、患者ひとりひとりがどのような病気で医療機関にかかり、どのように診療されたのかが記載されています。
具体的には、診療の開始日や疾病名、投薬・注射・手術などの処置などについて記録されます。
レセプトデータを活用すると、何が分かるのか?
では、レセプトのデータを活用するとどのようなことが分かるのでしょうか。
レセプトデータから分かる内容は主に、①患者ひとりひとりに対する診療・検査※・治療の内容②各医療機関の収益の2つです。
つまり患者が、いつから、どのような病気で、どのような薬が処方され、検査・手術を受けたのかが分かります。また、請求点数の情報から各医療機関の収益も計算することができます。
上記の情報を活用することで、地域ごとの特定の病気の割合や薬ごとの処方割合、複数の病気の関連性などが分かり、生活習慣病を予防するための保健事業に活用したり、製薬企業のマーケティングなどに活かすことができます。
※検査については、検査内容を把握することはできますが検査結果をレセプトから把握することはできません。
保健事業でのレセプトデータ活用事例
それでは、実際にレセプトデータを自治体の保健事業として活用した事例を2つ紹介します。
糖尿病性腎症の重症化を予防(広島県 呉市)
広島県呉市では、レセプトデータを分析し糖尿病性腎症の重症化予防のための保健事業を行い、大きな成果を上げています。
引用:広島県呉市「呉市国民健康保険事業の取り組み」
呉市ではレセプトデータの分析により、糖尿病重症者が行う人工透析の医療費が非常に高いことが分かったため、糖尿病腎症の患者へステージに応じたアプローチを行いました。
6ヵ月間、糖尿病腎症第3~4期の患者に対して、看護師・保健師・栄養管理士が選任で食事指導を行ったところ、人工透析に移行する患者が減り、結果的に医療費適正化に寄与しました。
引用:広島県呉市「呉市国民健康保険事業の取り組み」
現在もマイナンバーカードと情報連携できるアプリを活用し、乳幼児健診の結果や予防接種のスケジュールを確認できるようになっています。
適正な服薬を推進(佐賀県 佐賀市)
佐賀県佐賀市では、お薬手帳を持たずに複数の医療機関を受診した場合、薬の重複処方や飲み合わせに注意が必要な組み合わせがあることに着目し、適正服薬の推進事業を行いました。
レセプトデータを分析し、複数の医療機関で同じ薬効の内服薬が処方されていたり、飲み合わせが悪い不適切な服用など、服薬状況によって医師が処方を変更する可能性がある患者を抽出しました。
その上で服用している薬が適切かどうか、医師への相談を促す通知はがきの送付や電話連絡を行いました。
引用:総務省統計局「令和2年度 統計データ利活用事例集」
その結果、医師が処方を変更する可能性がある対象者を全体で50%以上減らすことができ、伴って医療費の適正化に貢献することができました。
レセプトデータの分析により、診療の現状と改善策が分かる
このように、レセプトデータを活用することで診療の現状と改善策が分かり、医療費適正化に役立てることができます。
DeSCヘルスケアでは、ヘルスケアエンターテインメントアプリ「kencom」を通じ、健診データ、レセプトデータ他、歩数などのライフログやライフスタイルアンケートなどを収集し、安全に利活用可能な形で提供しています。 データの活用方法などについてご興味がある方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。




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